あなたは「産業革命」という言葉をご存じですよね。
産業革命、とひとことで言っても、その意味するところをちゃんと理解できている人って、案外少ないのではないでしょうか?
ご存じとは思いますが、産業革命って、今までに何度も起きてるんですね。
いちばん最初が19世紀にイギリスで「蒸気機関」が発明されたことで、手作業から機械化により、作業効率が飛躍的に高まりました。
これにより人々の生活水準も大きく向上しました。これを第1次産業革命といいます。
その後、20世紀に入り、アメリカで電力が使われるようになります。
電力の普及により、大型の機械が数多く稼働するようになり、モノの大量生産が可能になりました。
これを第2次産業革命といいます。
そして20世紀後半、コンピューターが発明され、機械の制御に使われるようになります。
今までは人間が機械を操作する必要がありましたが、コンピューターにより機械の自動運転が出来るようになりました。
これを第3次産業革命といいます。
そして21世紀に入り、自動化技術はさらに大きく飛躍しようとしています。
今までは自動化のプロセスは人間が何らかの指示を与える必要がありましたが、機械自らが考えて動く、いわゆる「人工知能:AI」が普及の兆しを見せています。
これを第4次産業革命と呼びます。
さて、20世紀後半以降、もうひとつ忘れてはならない技術があります。
それは「インターネット」ですね。
インターネットの普及により、世界中どこにいても、あらゆる情報が手に入り、働き方が劇的に変化しました。
ネット環境とモバイル端末さえあれば、世界中どこにいようとも、何不自由なく仕事が出来てしまいます。
毎日会社に通い、満員電車に押し込められて通勤する必要も、くだらない会議に出席する必要も、いやな上司の顔を見る必要もなくなりつつあります(笑)
ネットがあれば、あんなこともこんなことも出来てしまう・・・・・・そんな夢のような時代が現実になっていますね。
そんなネット環境を、とんでもないことに使ったひとりの男がいます!
エリック・ウィテカー
エリック・ウィテカーという作曲家は、合唱というものの概念を根本から変えてしまいました。
本来、合唱というのはソプラノ、アルト、テノール、バスなどのパートに分かれ、肉声により壮大なハーモニーを作り上げる音楽です。
それぞれのパートに数人〜数十人が割り当てられ、指揮者の指揮のもとで唄い、美しいハーモニーを奏でます。
当然のことながら、その場に指揮者、合唱団員が集まり合唱しますが、エリック・ウィテカーはとんでもない方法を考えつきます。
彼は、ネットを使ってバーチャルな合唱団を作ってしまいました。
世界中の人が、ネットで公開されている彼の指揮映像に従い、それぞれのパートを唄います。
そしてそれをひとつに合成することで、リアルでは為し得ない、壮大なコーラスを作り上げたのです。
なんと、世界58カ国から2,000人以上の人がこのコーラスに参加しました!
その結果、とんでもないことになりました。
エリック・ウィテカーがTED(世界の英知が講演を行うカンファレンス。
TEDに付いての詳細はこちらを参考にしてください)でこのバーチャルコーラスについて講演した模様がありますのでご覧ください(画像をクリックすると動画再生できます)
いかがでしょうか?
産業革命以降、さまざまな技術が私たち人類を飛躍的に進歩させてきました。
その最たる技術であるインターネットを用いたバーチャルコーラス。
映像の中でエリック・ウィテカーも言っていますが、これはもはやバーチャルではない(笑)
技術の進歩が、私たち人間ひとりひとりに「感動」を届ける・・・・・・
これこそが正しい技術の使い方だと思いませんか?